所有欲を満たしてくれる外装が特徴のシグマIシリーズ
20年以上にわたってパナソニック製のカメラを使い続けているわたしは、まさに敬虔なパナソニック信者。
マイナーでリセールバリューは高くないし、AF性能はお世辞にもいいとは言えないし、スマホとの連携ソフトはマジで信じられないくらい使い物にならないし、文句を言いたいことはあるけど信者だからパナソニックさんを信じて使い続けるのです。ほら、操作性だってとってもいいし、ミドルグレードの機種でも操作ボタンの数を減らしたりあからさまに機能を制限するようなケチなことはしないいいメーカーじゃないですか!?
そんな敬虔なパナソニック信者のわたくしですが、Lマウントに関してはシグマ製のレンズの比率が高め。
とくにこの単焦点レンズのIシリーズは良いですよね。小型のレンズでありながらも決して不満のない描写性能であることももちろん素晴らしい点なんだけど、それに加えてこのアルミ削り出しの高品質なボディはほんとうに素敵。所有欲をがっつり満たしてくれます。
今年の春(Lマウントが4月以降、Eマウントが5月以降)にリニューアルが行われ、従来の黒色だけではなくシルバー色のラインナップが加わったのだとか。また、これまで商品名に「DG DN」が必ず入っていましたが、リニューアル後はミラーレス用を示すDNが省略されたようです。光学系の変更はなしとのこと。
45mm F2.8と35mm F2の比較
そんなシグマIシリーズのレンズだけど、我が家には45mm F2.8 DG DN(以下45mm F2.8)と35mm F2 DG DN(以下35mm F2)の2本があります。焦点距離が比較的近しいこの2本のレンズの違いについて本日は紹介していきたいと思います。
サイズ感
35mm F2の方がでっかいです。
数値上は35mm F2の方が20mm弱長くて6mm太いんだけど、実際手に取ると結構違うように感じます。携帯性は間違いなく45mm F2.8に軍配が上がりますね。フルライズカメラ用のレンズだから携帯性云々を語るものじゃないかもしれないけど、小さくて軽いに越したことはないもんね。SONYユーザーの人はFE 40mm F2.5 Gなんかもいい競合レンズになりそう。
画角と写り
35mm F2、45mm F2.8、そしてSONYのFE 40mm F2.5 Gとなんだか近しいレンズのようにも思えるけど、実際は画角も明るさもサイズも全然違う3本。結論から申し上げますと、全然使い勝手が違うから比較対象になりそうであんまりならないんじゃないかと思います。自分にとって使い勝手のよいやつを選ぼう!
ただし、これはよく言われていることですが45mm F2.8は結構クセのあるレンズなので注意が必要です。
こちらは比較的素直な写り方をする35mm F2の開放で撮影した画像。
先ほどと同じ場所から45mm F2.8を使って同じく開放で撮影するとこんな感じ。45mmなので35mmよりも画角が狭くなるのは当然なんだけど、それ以外全体がホワッとしたソフトな写りになっているのが特徴的です。こういう小さい画像ではわかりにくいんだけど、最近のレンズでは開放で撮影してもピントがあっている部分はシャープっていうのがお約束であるのに対し、このレンズはピントが合っている部分でもソフトな写りになるのです。この傾向はピントまでの距離が短いほど顕著になります。
絞っていくとソフトな写りから、現代的なキリっとした感じに変化していきます。45mm F2.8は現代のレンズでありながら、オールドレンズのような味わいを感じることができるレンズだとよく言われていますよね。ただ、Iシリーズすべてがそういう設計ならまだ分かるんだけど、御覧の通り35mm F2の方はいかにも現代のレンズらしい、開放からしっかりと改造する万能なタイプの写り。同じシリーズのレンズでありながらこうも特性が違うというのは、ユーザー側としてはちょっと困ってしまいますね。画角という使い勝手で一番重要な部分だけで選ぶことができないってことですから。
先ほどの比較画像のピント部分を拡大するとこんな感じ。2つのレンズで色目も若干異なることが分かると思います。
価格と入手性
この2本のレンズのお値段はこんな感じ。本体の大きさ同様、35mm F2の方が45mm F2.8よりもふた回りくらいお高い感じ。
45mm F2.8 DG | 35mm F2 DG | |
新品(公式ショップ) | 78,100 円 | 92,400 円 |
新品(マップカメラ) | 70,290 円 | 83,160 円 |
中古(マップカメラの美品) | 54,800 円 | 74,800 円 |
新品なら入手性は全く問題ないけど、35mm F2の中古の流通量はかなり少なめ。買えないことはないけど、よりみどりというわけでは全くありません。それどころかわたしが確認している限りでは、タイミング次第では中古美品が在庫切れということも珍しくない様子。
45mm F2.8の方はまだ中古市場に玉数がある方だと思うけど、fpのキットレンズだったこともあって以前はもっと数が多く、そしてもっとお安く購入することができたはず。その頃と比べると随分高くなってしまったものだなぁ、としみじみ感じました。
わたしが使いやすいのは35mm F2 DG
35mm F2と45mm F2.8の2本のIシリーズレンズを所有していますが、わたしが選ぶのはいつも35mm F2。35mm F2はもはや付けっぱレンズ。
45mm F2.8のコンパクトさは魅力的だけど、このレンズじゃないと持ち運べないというほどのシチュエーションはそうありません。それに対して45mm F2.8の開放時の写りのソフトさがそれほど好みじゃないことや、スマホのカメラに慣れ切った身には40mm以上の焦点距離は画角が狭くて使い勝手が悪く感じるという2点から、どうしても45mm F2.8の方を積極的に持ち出す動機がないんです。
ただしこれはわたしの場合の話。45mm F2.8の面白さが好きという人も多くおられるみたいですから、画角の違い・写りの変化の度合いなど、是非各自の好みで選んでいただければと思います。