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北海道の美瑛といえば青い池で有名ですが、美瑛といえば『丘のまちびえい』と美瑛町が自称しているほど、美しい丘の景色で有名な街。
そんな美瑛の美しい景色をのんびり車窓から楽しむことができるのが、今回ご紹介する観光列車『富良野・美瑛 ノロッコ号』。
レンタカーで訪問している人にはちょっと相性の悪いアクティビティだけど、公共交通機関などで観光を楽しんでいる人には観光を兼ねた移動手段として面白いかも!
要約
どんな場所? : 富良野・美瑛の景色を楽しめる観光列車
料金 : 1,590円
おすすめ年代 : 鉄道や景色を楽しめる人なら誰でもOK
個人的な評価 :
お財布への優しさ | ★★☆☆☆(2)列車としては少しお高め(指定席の場合) |
満足度 | ★★☆☆☆(2)時期によりけり? |
お勧め度 | ★★☆☆☆(2)時期によりけり? |
一言 : 季節によっては代わり映えのない景色が続くので、人によっては途中で飽きてしまうかも。2区間くらいで十分かも?
富良野・美瑛 ノロッコ号はこんな列車
景色を楽しむための期間限定列車
富良野・美瑛 ノロッコ号は富良野駅~旭川駅間で運行されている観光列車。いつも運行されているわけではなく、夏~秋の期間限定運行です。
主な見どころは富良野のラベンターと美瑛の丘、そして遠くにそびえる十勝連峰。そういった景色を楽しむことに特化した列車で、なんと景色を楽しむスポットではその都度速度を抑えてくれます。有名スポットを通り過ぎたのに見逃しちゃった!!!ということも起こりようがないので、安心。
今回わたしは富良野駅から乗車、美瑛駅で下車しました。運賃は乗車券750円、指定席券840円の合計1,590円でした。富良野・美瑛 ノロッコ号の客車は3両あるのですが、うち2両は自由席。今回はほぼシーズンオフだったので空いていたけど、ベストシーズンだと指定席にした方がよいでしょうね。せっかくの観光列車で立ち見はちょっと風情がありません。
富良野駅から乗車
今回の鉄道旅の出発地点となる富良野駅。駅舎自体はとてもこじんまりとしてはいるのですが、観光列車や特急列車が停止するのでホームなどは結構大きかったりします。
都会の駅とは全く違う趣のある駅舎。駅舎の中にはやはりものすごく趣のある立ち食いそばのお店(圭子ちゃんの店)がありましたが、残念ながら観光地ならではのお土産系のお店はありませんでした。
駅舎本体は趣のある昔ながらの雰囲気の建物でしたが、おそらく近年増築されたであろう部分はなかなか個性的なルックス。木目もとても美しいです。
ところで、駅前のロータリーにタクシーが待機しているのは日本全国共通の光景かと思いますが、ここのタクシーは行灯がなんと雪だるまでした。なにこれ?めっちゃかわいい!
今時珍しい駅員さんによる改札を通って駅構内へ。
これに乗るわけですねー。ノロッコ号は夏~秋の期間限定運行なので、この看板はいまだけの掲示なのでしょうか?
電車の案内表示が絵文字でした。チューリップ!これもかわいい!
ノロッコ号がやってきた!
しばらく待っておりますと今回乗らせていただくノロッコ号がやってきました。旅行の工程表には「トロッコ列車」と記載されていたので、正直どういう列車がやってくるのかドキドキしていたんです。後で調べたところによると、客車の上半分が解放状態(窓ガラスが無いとか)でゆっくり走る観光列車のことを「トロッコ列車」と呼んでいるみたい。
鉄道という名称が示すとおり、電車じゃありません。電気ではなくエンジンで動いてる列車なんです。
なので走行中は気にならないんですが、停車中は風向きによっては客車まで排気臭が流れ込んでくるので、あの匂いが苦手な人は要注意。そのせいで気分が悪くなったらせっかくの電車の旅が台無しになるので、出発直前まで駅のホームで待機するとかの工夫をした方がよいかも。
先ほどご紹介したとおり、窓はほとんどが解放状態。一応、窓ガラスを閉じることはできるみたいだけど。このおかげで走行中は解放感抜群なんだけど、停車中は盛大に排気ガスが入ってくるのはちょっと困りもの。
客車は、関西ではお馴染みの阪急電車のようなあずき色。
ノロッコ号の内装は木目たっぷり
それではさっそく客車に乗り込みましょう。
客車の内装は木がふんだんに使用されたレトロな雰囲気。
座席以外のスペースはあまりないので、自由席で乗車して席がいっぱいだったらどうなるんだろう?と思っちゃいました。吊革などの掴むための設備もほぼありませんし。
鉄板剥き出しの屋根には、趣のあるライトとラベンダーの飾りつけが。わたしが乗車したのは8月3日という真夏の時期でしたが、このような鉄板剥き出しの屋根、窓前回の外気温100%という環境にもかかわらず、車内は適度に涼しくてとても快適でした。この涼しさこそが、夏に北海道を訪れる大きなメリット。あまりにも快適なので、夏の間は北海道に移住したくなっちゃいますね。
座席は6人掛けのテーブル席と、
2人掛けのベンチ席。ベンチ席は背もたれを反対側に倒すことで、テーブル席側を向いて座ることもできます。つまり、最大8名までグループで机を囲むことができます。
あまり長時間乗るタイプの車両だから問題には感じなかったんだけど、座席の座り心地はかなりハードでしたね。クッション性皆無の木だから。
いよいよ走行開始。景色をたっぷり楽しもう
発車時間となり、いよいよ出発。窓がフルオープンのまどのおかげでアトラクション感がすごい。
「ノロッコ号」という名前のとおり、遅い電車です。ただ、遅いのは観光区間だけで、とくに見所が少ない区間はそこそこのスピードで走行します。
旭川に向かって進行方向右側にはずーっと十勝岳連峰をバックにした雄大な景色を楽しむことができます。
先日の白鬚の滝の投稿でもご紹介しましたとおり、十勝岳連峰のうちの一つである十勝岳は活火山。のろっこ列車からでもその噴煙を見ることができました。北海道滞在中はあまり天気に恵まれず、ずーっとどんよりとした空模様だったんですが、このよほっこ列車に乗車しているときはその雲もかなり少なくなり、このように十勝岳連峰の天辺を見ることができました。
あ、タマネギ!
といったのどかな景色を楽しみながら、美瑛駅まで1時間ほど列車に揺られます。
乗車してしばらくすると車掌さんがやってきて、記念品となる乗車証明書を配ってくれました。このポ乗車証明書に描かれているとおり、このノロッコ列車は富良野のラベンダー畑や花畑を楽しむことができるんですね?
と思いきや、
残念ながら8月に入るともうラベンダーは完全に終わっており、ラベンダー感は皆無。ラベンダーは全く楽しめるません。
こちらの停車駅は「ラベンダーばたけ駅」という、お堅いイメージのJRとは思えないようなネーミングの駅ですが、どうやらこのノロッコ列車運行時だけ設置される期間限定の駅なのだそう。だから柵が単管パイプで作られているなど、仮設感たっぷりなのですね。
でも、駅名とは裏腹にその後ろのラベンダーゾーンはもはやただの空き地です。
そして、あれが花畑?富良野の有名観光地である「ファーム富田」が遠目に見えます。めっちゃ、遠い・・・。もしこれが乗車証明書のイメージの元なのだとしたら、ちょっとイメージと現実の乖離が大きいかな・・・。
あ、タマネギ。
そんなわけで、少なくともこの時期に車窓から楽しむことができるのは十勝連峰とタマネギ畑といったところでしょうか。それらも全然悪く無いし北海道感を感じることはできるんだけど、花畑の中をのんびり走る、という感じは皆無。夏~秋の期間限定運行だけど、その期間内でも乗車するタイミング選びはとても重要だということです。
もうね、正直に申しますと後半飽きました。
十勝岳連峰の景色は綺麗なんだけど、なんせかなり遠いので走っても走っても景色はあんまり変わり映えがありません。
近くの景色は目まぐるしく変わっていくんだけど、シーズンが悪いのか、そこまで必見のスポットはなし。ザ・北海道という感じの景色というよりかは、よくある地方の田園地帯、といった景色が多いですかね。田舎住まいとしては親近感すら感じました。
ちょっと文句のようなことを言っちゃいましたが、美瑛駅に近づくと美瑛の丘の景色を楽しむことができますよ。せっかく綺麗な景色なのですが、ちょうどこのときは太陽が雲に遮られてしまって美しさが激減。こればっかりは仕方がないけど、天気も重要ですね。
下車駅である美瑛駅に到着。
美瑛駅は美瑛軟石というこの地域特有の岩石が使われた、珍しい石造りの駅舎。一応、観光スポットらしいんだけど、石造りだねぇ・・・という感想がでてくるくらいでしょうか。ちなみに、この美瑛軟石を使った建物は駅前を中心にあちこちで見ることができます。景観のために、そういった取り決めがあるんだとか。とくに駅周辺はしっかり整備されていて、とても綺麗な街並みでした。
まとめ。観光列車は楽しいけど、やっぱり時期選びは重要
というわけで今回は北海道の景色を楽しむことができる観光列車「ノロッコ列車」のご紹介でした。
正直車窓からの景色はイメージとだいぶ違ったなぁというのが正直なところ。
トロッコ列車に乗るのは人生初めてなので、車両の雰囲気と開放感、座席でのワイワイとした会話などを含めた体験全体としてはとっても満足。ただ、ポストカードに描かれているような花畑をイメージして乗車すると、時期によってはすさまじい肩透かしを喰らってしまうのは要注意でしょう。ラベンダーはともかくとして、そもそも花畑なんてほんとうに楽しめるの?って思ってます。タマネギ畑は楽しめるけど。
タマネギ畑でもいいから北海道の景色を楽しみたい!という人なら全然オッケーですが、そうでない人は事前にしっかりと花類の開花時期をチェックしてから乗車しましょう。