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『LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.』ファーストレビュー。ライカLマウント待望の便利ズーム

 

ライカLマウント待望の「便利ズーム」

4年前からわたしが愛用しているライカLマウント。それまではマイクロフォーサーズ(m4/3)マウントのカメラを使っていたんだけど、暗所でのノイズの多さに辟易としてフルサイズのライカLマウントを併用するようになりました。

そんなライカLマウント。写真の写りにはおおむね満足しているんですが、不満点が大きく2点あったんです。1つ目はレンズの重たさとデカさなんですが、これはフルサイズだから仕方がない問題。そして2つ目が高倍率ズームレンズ(通称「便利ズーム」)がないことでした。

m4/3ではオリンパスの12-100mm F4があってものすごく使い勝手が良かったんです。こんな素晴らしいレンズを作ることができるのはm4/3のメリット!?と思いきや、EマウントやZマウントといった競合のフルサイズには24-200㎜があるどころか、Zマウントには28-400mm f/4-8というすごい倍率のレンズすらあるじゃないか!

便利ズームは旅行のようなレンズを減らしたい用途にとても便利ですが、シームレスで様々な画角を撮影する必要のある動画撮影にも最適。パナソニックは動画に力を入れているんだから、早く便利ズームを出してくれよ!と願い続けて4年間。

わたし的に待望のライカLマウントの便利ズームとなる『LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.』がようやくパナソニックから発売されたので、ようやく入手することができました。

 

世界最小・最軽量高倍率ズームレンズ

というわけで、LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.のご紹介です。

パナソニックのレンズはm4/3のLEICAシリーズ含め、パッケージが格好いい!

パッケージと性能は全く関係はないけど、最近SDGsやらコストダウンのせいやらで、昔の富士フイルムの製品のような凝ったパッケージが見られなくなったのはほんとうに残念ですね。

 

パナソニックのSシリーズは寸法とデザインが極力統一されているので当たり前なんだけど、箱から取り出したレンズにはめっちゃ既視感が。見新しさや見た目のワクワク感は皆無。焦点距離の数字を見なければ、すでに持っている20-60mmと初見で見分けるのは不可能でしょう。

 

このレンズはプロシリーズではないので質感は樹脂感たっぷり。日頃は総金属削りだしのSIGMA Iシリーズを愛用しているので、どうしても質感のチープさを感じてしまいます。とはいうものの、このレンズは質感云々を語るレンズではなく完全な実用特化型なので決して不満があるわけじゃない。金属鏡筒じゃないから、衝撃を与えたら割ってしまいそうな点はちょっと不安だけど。

 

このレンズの売りは便利ズームとしては「世界最小・最軽量」であること。それだけあってLUMIX S 20-60mm F3.5-5.6と比べてもあんまりサイズ感が変わらないのは素直にすごいと思います。ちょーっと全長が長いだけ?

 

200mmまでカバーするのでさぞかしよく伸びるのかと思いきや、テレ側マックスでも伸びはこの程度。他社のズームレンズでも見られる機構ですが、2段階に伸びる凝った造りをしています。防塵・防滴仕様ですが、あんまり過信しない方がよさそう?

 

ただ、手持ちの他のLマウントレンズと並べてみると、意外とめちゃくちゃコンパクトというわけではないことが分かります。いや、便利ズームとしてはめちゃくちゃコンパクトなんだけど、いわゆる着けっぱなしレンズとするには少し大きいなぁっていうのが率直な印象ですね。

 

「写真を撮るかどうか分からないけどとりあえずカバンにカメラを入れておく」という用途ではなく、「旅行のような写真を撮るのは間違いないけど持ち運ぶレンズを少なくしたい」という用途向けかなぁ。

 

写りはどう?ファーストレビュー

このレンズ、本格デビューは今度行く予定の北海道旅行なんですが、その前に軽く使ってみました。

まだちょろっとしか使っていないですが、第一印象はマイクロフォーサーズのパナソニックのレンズみたいな写りだなぁというもの。

マイクロフォーサーズのパナソニックのレンズってあんまり解像度を求めていないような印象をわたしは持っているんです。オリンパスのプロレンズは逆によく解像するシャープな写り。これは好みの問題なんだけど、わたしはオリンパスの写りの方が好きだなぁ。

 

同じパナソニックのレンズでもこれまで使ってきたLマウントレンズではそこまで気にならなかったんですが、今回のLUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.ではモヤっとした解像度の緩さが結構、気になるかも。

 

でもモヤっとした解像度の緩さは常に感じるわけではなく、露出補正を上げるようなシーンで発生する・・・ような気がする?露出が適正で微調整程度しか必要のない場合は発生しない気がします。そしてモヤっとするときは全体的に白っぽくなるんですが、そうじゃない場合は結構コッテリした色合い?

 

こういう樹を見上げるシーンって空と葉っぱとの明暗差が激しいのでテストにぴったり。ちなみに、20-60mm F3.5-5.6だとがっつりパープルフリンジが出たりします。最初の印象からこのレンズでもこのシーンは厳しいんじゃないかなって予想していたんですが、解像度の低さもパープルフリンジも全然気になりませんでした。

 

これくらい写ってくれればわたし的には全く問題なし。なんだけど、たまーに解像度がイマイチなモヤっとした写りになることがある点はすごく気になるので、どういうシチュエーションが苦手なのか引き続き確認を続けないと。

というわけで、今回はまだまだ使い始めたばかりだけど、パナソニックの便利ズーム『LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.』のファーストレビューでした。北海道でうんと使い倒そうと思っていますので、使い倒してどう感じたのかは改めて紹介したいと思います。

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