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『LUMIX S 28-200 mm F4-7.1』レビュー。Lマウント唯一の高倍率ズームレンズは広角側が足りない

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Lマウントレンズに長年無かったものの一つ、それが便利ズーム(高倍率ズームレンズのこと)。

はやく、便利ズームだして!パナソニックさん!とわたし数年間ずっと思い続けていたんですが、やっと出してくれたのがLUMIX S 28-200 mm F4-7.1 MACRO O.I.S.。長年欲しかったものだから、発売から少々遅れたものの、わたしも昨年7月に購入させていただいたんです。

それから半年ちょっと。旅行や日常使いなどで積極的に使ってみましたので、わたしがどう感じているのか紹介させていただきます。

今回紹介するアイテム

商品名:LUMIX S 28-200 mm F4-7.1 MACRO O.I.S.(S-R28200)

メーカー:パナソニック

購入価格:119,889円(税込)

結論:広角側28mmスタートがめちゃくちゃ気になる。もう少し大きくてもいいから24mmスタートが良かった・・・

 

早速結論は?

結論から申しますと、わたしにはイマイチ合わないかな、といったところ。決して悪いレンズではないけれども、広角側が足りません。もう少し大きくてもいいから、24mmスタートが良かった・・・

でもこのレンズは使い続けます。だって、他に選択肢がないんだから!

 

LUMIX S 28-200 mm F4-7.1の特徴

世界最小・最軽量高倍率ズームレンズ。

というのがこのレンズの謳い文句。デデーンとパナソニックのサイトでも大きく表示されています。

うおー、すげー!さすがは我らのパナソニック!!とパナソニック信者のわたしは万歳したいんだけど、よく見ると

”※1 AF対応フルサイズミラーレス用交換レンズ、ズーム倍率が7倍以上のズームレンズにおいて。2024年2月22日現在。パナソニック調べ。”

と書いてあります。ふむふむ。それを踏まえて他社のレンズスペックと見比べてみますとこんな感じ。

メーカー 焦点距離とF値 最短撮影距離(広角側) 重量
Panasonic 28-200mm F4-7.1 0.14m 413g
SONY 24-240mm F3.5-6.3 0.5m 780g
CANON 24-240mm F4-6.3 0.5m 750g
NIKON 24-200mm F4-6.3 0.5m 570g
NIKON 28-400mm F4-8 0.5m 725g

そう、確かにパナソニックの28-200mmは一番小さくて軽いんだけど、ズーム倍率が8倍未満なのはこのレンズだけ。ズーム倍率が7倍以上の~って謳っているけど、そんな土俵で勝負しているのはこのレンズだけなんです。そりゃ、世界一にもなれますよ。

高倍率ズームレンズで最も重要な”ズーム倍率”というスペックを落として無理矢理世界一にしたんじゃない?

と穿った見方もできちゃう。パナはそんなことしない!とわたしは思いたいんだけど、「トラベルレンズの新スタンダード」と謳っているNIKONのNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3は広角側が24mmスタートで、望遠側も若干明るくて、それでLUMIX S 28-200 mm F4-7.1との重量差は157g増。正直わたしにとってはこっちの方が使い勝手がよさそう。

ちなみにこうやって見比べるとパナソニックの28-200mmは抜群に寄れる点が大きな特徴なのがわかります。さすがマクロと名乗っているだけのことはある!

確かに小さくてコンパクト。

半年ちょっと使ってきましたが、これまで持ち運びで不便さを感じたことはありません。コンパクトさは必須スペックではないけど、道具なんだからコンパクトに越したことはありませんよね。

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やっぱり気になる28mmスタート

このレンズはコンパクトさを重視したレンズだから、旅行に持ち運びたいわたしにはさぞかしぴったりなんだろうなぁ、と思っていました。そう、思っていたんです。

旅行で持ち出していて気になるのはやっぱり広角側が28mmスタートなところ。

いや、買う前から分かってはいたんだけど、実際に使ってみると24mmスタートではない点はかなり不自由に感じました。マイクロフォーサーズではオリンパスの12-100mm F4(24-200mm相当)を多用しているからその差がいかに大きいかを日々感じています。

もちろん旅行の内容によるんだけど、旅行で望遠側ってあんまり使わないことに気が付いたんですよ。

だってほら、旅行の写真って基本記録みたいなもんじゃないですか?でも200mmのレンズを通して写る景色なんて人間の目では見ることはないんだから、そんなのはもう記録じゃないんですよ。

それよりも人間の視界に近いとされる50mmとか、ぼんやり視界とされる35mm 、そして空間や周囲の景色をまるごと記録することができる広角レンズの方がずっと使用頻度が高かったんです。

 

28mmという焦点距離は屋外の目の前の光景をなんとなく映す用途なら十分な画角なんだけど、

室内を広く映すには画角が狭すぎるんですよね。あと全体を写したい建物がすぐ近くにある場合なんかはやっぱり画角が足りません。

 

だからせっかくこのレンズを旅行用に購入したというのに、わたしの旅行での主力レンズはもっぱら20-60mm F3.5-5.6。暗いシーンが多そうなら24-70mm F2.8と使い分けています。

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写りに文句はなし

画質云々に不満はありません。わたしの使用用途は旅行や日常の写真撮影と動画撮影がメインだから、解像度や電子補正無しでの画質に対する要求はゆるゆる。

そりゃ性能がいいに越したことはないけど、今時のレンズなんてどれも素人には十分すぎる性能です。便利ズームの写りはイマイチなんて定説は、遥か昔の話。

 

F値4-7.1は人によっては暗く感じるかもしれないけど、これはもう便利ズームの宿命みたいなもんですね。

レンズの明るさが求められるシーンといえばめっちゃボケが欲しいときか、めっちゃ動きの速い動体撮影、あと暗い場所での動体撮影くらい?旅行先でそういう用途に急にでくわすことはかなり稀だからF値については全然不便さは感じていません。むしろ旅行写真では絞ることの方が多いですし。

 

絞ったら光芒はこんな感じにでます。(センサーに付着したゴミが盛大に写りこんでいますが気にしないで!)

 

やっぱり動画撮影に便利

旅行での使い勝手は28mmスタートのせいでイマイチに感じたけど、途中でレンズ交換ができない動画撮影、特に近くから遠くまで撮影しなきゃいけない運動会での撮影なんかには大活躍。レンズ選びのストレスから解放されます。

ただ、こういった用途では持ち運びの携帯性はさほど重要じゃないから、もう少しデカくて重たくてもいいからもっと焦点距離が広ければ・・・とやっぱり思っちゃう。コンパクト重視するならフルサイズじゃなくてマイクロフォーサーズと12-100mm F4を持ち出しますし。

また、運動会ではかなりの砂埃にさらされるから、この繊細そうな二段階ズームへの影響はちょっと気になるところ。他社の便利ズームもこういう構造だし、防塵防滴を謳ってはいるけれども。

 

文句があろうが、便利ズームを使うならこれ一択

というわけで今回はずーっと待ち続けていたLマウント初の便利ズームLUMIX S 28-200 mm F4-7.1 MACRO O.I.S.のご紹介でした。

便利ズームの”便利さ”のうち、”焦点距離のカバー範囲の広さによる便利さ”ではなく”コンパクトさによる便利さ”を重視したのがこのレンズのコンセプト。

でも、少なくともわたしにとって便利ズームの便利さとはやっぱり”焦点距離のカバー範囲の広さによる便利さ”です。

素人が穿った見方をするならば、パナソニックは広角側4mm分の焦点距離を削ることで無理矢理世界最小というセールスポイントを準備したんじゃないの?もう少し大きくてもいいから24mmスタートの方が良かったんじゃないの?というのが正直な感想。

いろいろ満足している点だけではなくイマイチに感じる点もありますが、このレンズはこれからもずーっと使い続けていくつもりです。なんといってもLマウントでの便利ズームではこれが唯一の選択肢なのですから。

他社のレンズラインナップを見てみても便利ズームは決して主流の焦点距離ではない様子。マイナー気味の製品である便利ズームを、ただでさえレンズラインナップが少ないパナソニックが複数種類発売するとは到底思えません。それは分かっているんだけど、動画に力を入れているパナソニックだからこそ、20-160mmとかの焦点距離の便利ズームってできないもんなんですかね?昔と比べると広角側の重要性は間違いなく増加しているんですから。

なんだか仕方がなく使うって感じの文章になってしまっていますが、ほんと28mmスタートであることさえ除けばわたしは他に欠点は感じていません。パナソニック製のレンズって比較的柔らかい写りが多いようにわたしは感じているんだけど、このレンズはキリっとシャープに写る傾向があるから記録写真としてはとても写りは気に入っているんです。

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