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北海道らしい観光施設のひとつに熊牧場というものがあります。我が国日本において野生で遭遇したくない動物ナンバーワンのヒグマを大量に飼育している施設。
今となっては大昔の出来事ではあるんだけど、クマ牧場=事故っていうイメージがいまだに根強く残っているし、劣悪すぎる飼育環境を問題視する意見も多く見られます。つまり、誰もがおすすめするのどかな観光施設のイメージとは程遠い様子。
動物園好きとしては以前からとても気になっていた施設なんだけど、せっかく近くまで行く機会に恵まれたので、人生で初めて行ってみました熊牧場。
今回は昭和新山熊牧場のご紹介です。
要約
どんな場所? : 熊が大量に飼育されている施設
料金 : 大人900円、こども500円
立地 : 北海道の西の方。洞爺湖の近く。
おすすめ年代 : かなり大人向け?
個人的な評価 :
お財布への優しさ | ★★☆☆☆(2)公的な施設と比べるとコスパ悪め |
満足度 | ★★☆☆☆(2)なんとも言えない気持ちに |
お勧め度 | ★☆☆☆☆(1)マニア向け |
一言 : インパクトは抜群。万人受けする施設ではないけど、北海道ならではの観光施設
昭和新山熊牧場ってこんな場所
昭和新山エリアの一施設の位置づけ
昭和新山熊牧場は昭和新山エリアの中にある一つの観光施設という位置付け。昭和新山?なにそれ?っていうのが、今回この場所を訪問する前のわたしの知識レベルでした。無知な子でごめんなさい。
で、これが昭和新山。この赤い山がなぜ観光地となっているのか?
それはこの昭和新山という山はまだできて100年も経過していない真新しい火山であり、しかもその生い立ちがなかなか珍しいらしく、奇跡の山と呼ばれているんですって。こんな山がいきなり平地から山が生えてきたら、そりゃすごいよなぁ。
この山は現在私有地なんですって。なんでもいきなり山が生えてきたもんだから、その場所に土地を持っていた人は大迷惑。そんな困った人たちから土地を購入してくれたのが、この銅像にもなっている三松さん。三松さんは火山の形成過程の記録もされていたみたいなんだけど、これが火山の形成過程の記録を人類がおこなった唯一の例なんだって。なんだかすごいでしょ?
このエリアに車で入るには協力金という名の駐車場料金500円が強制徴収されます。この場所の貴重さを考えるとそれ自体はいいんだけど、係員さんが何名かおられて数回請求されるのはいかがなものか。
そんなユネスコ世界ジオパークにも指定されている名所の一画にあるのがこちらの昭和新山熊牧場。先ほどまで世界レベルのビッグな話をしていたというのに、こちらは古き良きB級スポット臭がプンプンしてきます。
リアルさとコミカルさが微妙に融合した、なんとも言えない雰囲気。
熊牧場内部はコンクリート&アスファルト100%
熊牧場の入口は先ほどの建物の内部にあります。この建物はお土産売り場やトイレが集約されている施設。この場所が牧場内唯一のゆったり過ごすことができる場所となります。御覧のとおり真新しいピカピカの建物、というわけではないので、トイレなどの水回りにこだわる方はご注意を。
入園料を払っていざ牧場内へ。牧場とはいいますが、中は100%コンクリート&アスファルト。牧場の外は木に囲まれていますが、牧場内には土や木といった有機物は清々しいまでに皆無です。熊が有機物を求めているかどうかは知らないけど、なんて飼育環境だ!と声を挙げる人がおられるのも理解できます。夏は暑そう。
熊の迫力は想像以上
熊牧場なので、熊がいます。アライグマが1匹いたけど、他はすべて熊のみ。清々しいまでの特化ぶり。
最初に出会った熊はこちらのクマさん。飯くれーっと盛大に檻を叩きまくり、うなり声を挙げています。どうみても収監されている凶悪犯・・・
あまりの迫力となんともいえない雰囲気にドン引きです。これは、動物園ではない。もう入口付近でお腹いっぱい。説明によるとこのエリアの熊は比較的若い熊のようです。だからこんなに血気盛んなんだね!
さらに奥に進みますと、どーんとあるのがこのような竪穴式の展示スペース。これが全部で5、6箇所ありました。
自然界では熊の縄張りはかなり広大で熊同士が遭遇するのは稀だとNHKの”ダーウィンがきた”で知りましたが、そんな自然界のことなんて知らねーとばかりに大量の熊がひしめき合っています。なんか、すごく異様な雰囲気。
ただ、熊同士なかなか仲が良さそうだし、
リラックスしていそうな雰囲気。
コンクリートの床なんてけしからん!とか劣悪な飼育環境!と声を挙げる人の気持ちもよく分かるけど、クマさんは実際どうお考えなのでしょうかねぇ。
ただ、クマさんがどう感じているのかはともかくとして、ウンチがそこら辺にあるのでめっちゃ臭いです。たぶんこの臭いだけで無理な人は無理かも。人間と同じく雑食動物のウンチは臭いのです。一昔前の動物園の臭いを、さらに強烈にしたような臭い。臭い、臭すぎる!
熊牧場名物、餌をねだる熊
熊牧場の熊にはご飯を投げ入れることができます。野生では絶対敵わない熊さんに対し、絶対に襲われない位置から施しを与えるのです。
与えることができるご飯はクッキーかリンゴ。人間の背丈と合わせると10m以上もあるかのような高さからリンゴなんて投げられてクマさん大丈夫?って心配になりますが、ちょうどわたしの目の前でリンゴが頭にヒットしたクマさんは微動だにしていませんでした。リンゴは砕け散ったのに。クマさん、強すぎぃ!その光景を見て、クマさんに対する心配の気持ちはさっぱり消え失せましたね。こいつ、ものすごく強いぞ!やはり野生では絶対会いたくありません。
同じようなシチュエーションであるキリンの餌やりではなんにも感じないのに、クマさん相手となるとなんとも言えない後ろめたい気持ちになるのは、くれくれポーズをクマさんがするから?確かに、動物の尊厳を奪っているような嫌な気持ちになりますね。繰り返しますが、クマさんが実際どんな気持ちかなんて分からないけど。
わたしはどちらかというとご飯を投げ入れることに後ろめたさを感じでしまいましたが、観光バスで訪れておられた中国人御一行や、日本人でも大学生くらいの若いグループはノリノリでご飯を投げ入れていました。好きな人にははまるんだろうねぇ。
熊の息遣いを感じることができるエリアはおすすめ
わたしのようにご飯を投げ入れることに後ろめたさを感じる人は、是非竪穴式展示スペース内に入ってみましょう!
この場所は3方向を熊に囲まれるというなんともエキサイティングな経験ができます。
しかも、熊が近い!よく動く!
その理由は、この場所でも熊に餌を与えることができるから。ここでは壁に開けられた小さな穴からクッキー状の餌を落として与えるのですが、このような方法なのでクマさんはくれくれポーズをしません。穴の先で鼻息を鳴らしながら待っているだけ。熊の息遣いなんて野生では絶対に聞きたくないけど、ここならパイプ越しにそんな鼻息をたっぷり体感することができます。超、エサイティング!!
子熊もいます
入口付近には小熊もいました。小熊は人気があるから、劣悪な環境下で無理やり繁殖させてる〜みたいな意見も見たことがありますが、まぁ牧場というくらいですから。牧場ってそういうものでしょう?人間は罪深い生き物なのです。
昭和新山熊牧場のまとめ
昭和新山熊牧場で良かったところ
- これだけ大量の熊を見ることができる場所はそうそうない。
- 餌を投げ入れる方式は珍しくないけど、すぐ目の前の熊に穴を通して餌をあげることができたのは初めて。熊の息遣いが、すごい!
昭和新山熊牧場で残念に感じたところ
- 展示のボリュームは少なめ。
- とにかくウンチくさい。
という感じで、本日は昭和新山熊牧場のご紹介でした。
わたしは熊の生態に詳しいわけではないし、ましてや熊の考えていることなんて分かるわけもありません。だから動物愛護的なことを言うつもりはさらさらありません。ただ、日本人にとって最も怖い野生動物である熊が大量にひしめき合っている光景や、強烈なウンチの臭いはなかなかくるものがあります。ライトな気持ちで行くとドン引き間違いなし。動物園に行くような気持ちで行く場所ではありません。でも、展示スペース内に入る体験はかなり貴重で、訪れた甲斐がありました。熊に囲まれることなんて、そうありませんからね。